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牛を撫でる三宅さん

備中牛生産者
株式会社三宅ファーム
三宅 勇輝さん(35)

備中牛生産者
株式会社三宅ファーム
三宅 勇輝さん(35)

畜産

酪農から“楽農“へ 「備中牛®」の複合一貫に手応え

 高梁市内から車で約1時間。標高450mの山間で、祖父が始めた酪農を受け継ぐのが、株式会社三宅ファームの3代目、三宅勇輝さん(35)。両親や妻、従業員とともに、乳牛とブランド牛「備中牛®」の複合一貫経営に力を注いでいます。
 酪農大学校を卒業後、20歳で就農した三宅さんは、父とともに規模を拡大。2014年12月に法人化し、乳牛約200頭から1日5トン強を搾乳する傍ら、和牛の繁殖・肥育牛や交雑種合わせて約200頭を飼育しています。
 コロナ禍や歴史的円安、物価高の影響で輸入飼料の価格高騰による影響が顕著な畜産業。同ファームでも昨年から自給飼料の割合を積極的に増やしました。コスト削減だけでなく、牛乳や和牛の質向上の効果も生みました。「年3回ほど飼料(牧草)の栽培と収穫を繰り返すことで以前よりも栄養価が格段にあがり、『牛乳や肉のおいしさが増した』と、消費者からうれしい声が届いている」と胸を張ります。
 時代の流れに沿い、一昨年には新たに和牛肥育牛舎と、自動搾乳機や給餌機・堆肥攪拌機などをそろえたロボット牛舎を建設。最大限の機械化により、頭数が増えても雇用を増やすことなく、規模拡大を実現しました。副産物である堆肥も牧草地へ利活用し、循環型農業として持続可能な開発目標(SDGs)に寄与しています。
 和牛分野では、肥育牛を自家飼育するほか、採卵から出荷まで一貫して手掛けています。搾乳牛が増えていく中で、経営をさらに盤石とするため和牛の受精卵を自家採卵し、乳牛の借り腹に移植する受精卵移植(ET)へと切り替えました。肥育牛の頭数を増やすとともに飼料をJA指定に変え、「備中牛」として出荷し、和牛分野の強化へつなげています。「乳牛、和牛ともにやっているからこその強み」と力を込めます。
 回復傾向にあるインバウンド需要など将来にも目を向け、厳しい畜産業界の明るい兆しを展望。「『酪農』と書いて『楽農(らくのう)』と言えるよう、息子や次代を担う子どもたちが『畜産業をしたい!』と思えるようなワクワクする農業にしていきたい」と先を見据えます。
備中牛の写真
きれいなサシ(脂身)が入った備中牛。口の中でとろける味わいは格別

空から望む - 高梁市備中町
天空の集落は爽快な見晴らし

総社市山手地区の写真
 高梁市の北西部に位置し、北は新見市、西は広島県と境を分かちます。中央を高梁川支流の成羽川が流れ、町の上流には新成羽川ダム、中流には黒鳥ダムが構えます。石灰岩の切り立つ渓谷と清流、ダム湖が静かなたたずまいを見せます。そこからつづら道をひたすら上ると標高450メートル前後の高台に集落が点在。吉備高原の一部に属し、360度のパノラマが広がる天空の地にたどり着きます。
 高原特有の気候をいかしたトマトやブドウが町の特産です。山の上の集落を訪れると、特産を「天空の実り®」と称す所以が実感できます。「備中牛®」を育てる牛舎をはじめ酪農舎、鶏舎も森の中の落ち着いた雰囲気に囲まれています。
 新規就農者の受け入れ体制やJAの選果場など農業を始める環境が充実し、県外からIターンした移住者も多く暮らしています。
最寄りのJA店舗 西部ぶどう選果場
 県内トップ産地を誇る「鬼退治桃太郎トマト」と、ピオーネ「天空の実り®」などのブドウの両選果場を有する同地区。トマト選果場は中国地方最大級の規模、ぶどう選果場は全国初の色彩選別カメラを導入するなど県内農業をけん引しています。
管内の備中牛
備中牛の写真
晴ればれレシピ

備中牛のレシピ

「晴ればれレシピ」のページでは、晴れの国岡山の旬の食材を使ったレシピを紹介しています!
直売所で新鮮な農産物を選んで、ぜひ、旬の味覚をおいしくいただいてください!
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