家庭菜園
野菜 広報誌「晴ればれ」2020年7月号掲載
夏秋ナス
低温に弱いため、急いで植えず、あらかじめ黒色ポリマルチをして地温を高めてから植え付けましょう。多肥を好むので生育状況を確認しながら入念に追肥することが大切です。果実によく日が当たるように枝を仕上げるのがコツです。
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西本 拓也
びほく広域営農経済センター
総合指導課主任
びほく広域営農経済センター
総合指導課主任
植えつけ時期
遅霜の心配がなく最低気温10℃以上、植えつけ時期 最低地温15℃以上になった頃
1.畑の準備
- 排水や日当たりがいい。
- ナス科の作物を3~4年栽培していない場所。
- 排水良好でかん水の便利な場所。
- しっかり畝幅を確保し、根を張らせる。
- 植え付けの1週間前に元肥を施して畝を作る。
- 鶏糞は入れない。
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植え付け7~10日前に黒色マルチで覆い、十分に地温を確保しておくと、定植後、苗の根の伸張がよくなる。
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元肥え
完熟堆肥
1株あたり
210~280g
1株あたり
210~280g
油かす
1株あたり
120g
1株あたり
120g
使うのはコレ!
(1)野菜の肥料
1株あたり30g
(1)野菜の肥料
1株あたり30g
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2.植え付け
植え付け適期苗
- 定植適期は1番花の開花直前。
- 鉢土を壊さないように定植1~2時間前にたっぷり水やりをする。
- 定植時には殺虫剤の粒剤を同時に施用する。
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3.支柱立て
主枝は、花の下の側枝をそれぞれ1本ずつ伸ばし、4本に仕立てる。これより下の側枝は早めに取り除く。主枝はお盆頃までに目線ぐらいの高さを目安に摘心する。
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4.整枝
4本から生える側枝は、第1花の上の葉を残して摘心する。主枝に近い第1葉のわき芽を残し、その先まで切戻しましょう。
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葉が混み合ってきたら、老葉は取り除き、風通しをよくし、果実に日がまんべんなく当たるようにする。ただし、一度に多くの葉を取り除くと根が傷み、草勢の低下・実の太りに影響する。葉を取り除く枚数は1回1株あたり2~3枚程度にとどめ、こまめに行う。
5.害虫防除
病害では、うどんこ病、すすかび病、灰色かび病、綿疫病、青枯(あおがれ)病、半身萎凋(はんしんいちょう)病、害虫ではアブラムシ類、コナジラミ類、サビダニ、ハダニ類、オオタバコガなどが発生する。発生初期に表裏に入念に薬剤を散布する。
6.追肥とかん水
第1回 (1番果の収穫時期)
↓
第2回以降(10~14日おきに1回、草勢に応じて1回目と同量を施す)
(2)「化成肥料14-14-14」/1株あたり30g
第2回以降(10~14日おきに1回、草勢に応じて1回目と同量を施す)
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9月には地温の確保のため敷きワラは除去する。
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サンからのアドバイス
柱頭が上に出ているのが正常だよ!
柱頭が上に出ているのが正常だよ!
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高温の収穫最盛期を終えて、なり疲れや乾燥など草勢の低下が心配される。栄養不足や日照不足、高温などで草勢が弱ったときは、柱頭が短い花が多くなって落花が増える。速効性の肥料を追肥する。
7.収穫
最初にできた実は、今後の生長のため、親指程度の大きさになったら早めに収穫する。草勢が衰えてきたら、思いきって早穫し、回復を図る。
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8.切り戻しせん定
収穫最盛期でもきっちりと一芽に切り戻し、次に大きくなる小さい芽に光を当てること。
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おすすめ資材
(1)新発売 JA晴れの国岡山
オリジナル野菜の肥料
オリジナル野菜の肥料
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窒素・リン酸、加里に加え、微量要素をバランスよく配合し、野菜の元肥え・追肥に幅広く使えます。
(2)化成肥料14-14-14
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高成分なので少量投入で経済的。作物に早く作用し、品質アップ、増収が期待できます。
(3)アディオン乳剤
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アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、テントウムシダマシ類の防除に2000倍に希釈して使います。
※JAに相談して選び、必ず商品のラベルや説明書に従い、適正に使用してください。
※JAに相談して選び、必ず商品のラベルや説明書に従い、適正に使用してください。
支柱
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おすすめ品種
千両2号
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最も定評のある長卵形品種。濃黒紫色でツヤがよく、果揃いがよい。果皮はやわらかく料理の幅が広い。
筑陽
(ちくよう)
(ちくよう)
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中長サイズで肉質がきめ細かく、煮炊きのほか漬物用にも最適。栽培後半までスタミナがあり作りやすい。
庄屋大長
(しょうやおおなが)
(しょうやおおなが)
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長さが35〜40センチ程度になる大長。ツヤのある黒紫色で、果肉が特にやわらかで品質は極上。焼きナスにすると絶品。
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