農水省の「日本の棚田百選」に選定されている岡山県美咲町の大垪和西地区で、ＪＡ晴れの国岡山・つやま青壮年部の宮尾廣実さんが棚田での米作りに奮起しています。

２．５㌶２５枚の水田で自然と共生しながら育てた稲が収穫を迎えました。

８５０枚の棚田が高低差約１００㍍のすり鉢状に広がる同地区。「春に水を張った風景は感動的で心が洗われる」と宮尾さんは絶賛します。ただ、小さな田が連なる環境に天候や人の手に頼る部分が多い上、今年は長雨や台風などの影響が作業の足かせとなっています。
高齢化で荒廃地が増える現状に不安を募らせながらも、先代から受け継ぐ田を２０年にわたって耕してきました。
非効率の田が多く、水管理も草刈りも人一倍の手が掛かかります。「コシヒカリ」「きぬむすめ」を作付け、農薬や化学肥料の使用を基準より減らすことで環境にやさしい米に仕上げました。
今年は落水から収穫期の雨天で、１週間遅れの９月７日に最初の刈取りを始めました。宮尾さんは「かけがえのない自然環境と米を通して関係する人を増やし、地域の活性化につなげたい」と展望します。