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久世の「西条」後世へ/久世西条柿生産組合

枝をせん定する矢谷組合長
JA晴れの国岡山久世西条柿生産組合では、地元に古来からある樹を独自に育苗して後世に残し、木によってばらつきのある形状や味を統一して、品質の向上につなげる取り組みを始めました。
今回は、当初栽培を始めた樹の中から収量、形、実太りが良く、みぞが浅く加工しても味がよい4本を選定。せん定枝の中から約150本を県内の業者に依頼し、約1年かけて育苗します。来年1月の配布を目指し、早ければ3年後に収穫を始め、5年後には本格的な出荷を目指します。
「西条」は中国地方で盛んに栽培されている渋柿で、同組合では現在9戸が1.9㌶で栽培。渋を抜く「あわし」や干柿、あんぽ柿で出荷。冬の保存食の文化として地元で食べられてきた「西条」を新たな特産にしようと、転作作物として選定。研究会を経て1989年ごろから栽培を本格化させました。
栽培当初、樹齢100年以上とも言われる地元の2種類の樹から苗木を作り、生産者に配布。以降は流通している市販品を利用していましたが、形状や味が均一でない上、病害虫に弱いなどの問題がありました。
同組合の矢谷知仁組合長(44)は75㌃で栽培。育苗した苗木を新たに30本新植する予定です。組合設立当初から約35年間栽培を続ける父の幹治さん(75)は「西条は地域の宝」と話します。矢谷組合長は「組合としては年々レベルが洗練されており、高齢化や担い手不足などの課題がある中、品質の高さなどをどうやって継続していくかが課題。おいしい久世の西条を残し、組合を盛り上げていきたい」と展望します。