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剪定枝をバイオマス発電へ/まにわぶどう部会
環境保全型農業への取り組みを加速させるJA晴れの国岡山まにわぶどう部会では、本年度、SDGs未来都市に選定されている真庭市と協力し、ブドウの剪定枝をバイオマス発電施設へ供給し、再生可能なエネルギー資源として再利用する取り組みを始めました。第1回目は12月16日から22日までの7日間で、6戸の生産者が約1.9㌧の剪定枝を集荷場に持ち込みました。剪定枝のほか麻ひもや紙ひもなど、自然由来の資材も持ち込みが可能で、全量を無償提供します。
これまで剪定枝は個人で廃棄したり、個別にバイオマス発電所へ持ち込むなどして処分しており、部会で取り組むのは初めての試み。本取り組みは、真庭木材事業協同組合の全面協力で、本年度は12月と来年2月の2回、同市落合地区の生産者を対象に集荷し、市内の木質バイオマス発電施設へ供給。回収の量や利用者数、フローなどを調査し、来年度以降の本格的な導入につなげます。施設全体では年間約77,500MWhを発電し、一部の公共施設や売電で利用。部会では地域資源の供給で、持続可能な地域社会への役割も果たしていきます。
同部会は173戸が27.2㌶で各種ブドウを栽培。有利販売やブランド力強化に向け、本年度から本格的なマーケティング戦略を行っています。剪定枝の供給は、環境に優しい農業へ取り組むことで、他産地と区別化し、選ばれる産地を目指す活動の1つ。剪定枝の利用のほか、摘粒のバイオマス液肥プラントへの供給や二酸化炭素の排出量の少ない木質ペレットボイラーの利用促進なども検討します。
同部会の本多雄嗣副部会長(45)は約1.3㌶でピオーネやシャインマスカット、オーロラブラックなどを栽培。14日から剪定を始めました。これまでは剪定した枝を自分で廃棄処分していましたが、今回初めて約12~13万本を発電所へ供給。「選定枝を束ね、運搬する手間はかかるが、環境に優しい取り組みをすることで地域へ貢献し、市場関係者や消費者にもPRできる。有利販売にも期待したい」と話します。
部会では今回の運用の結果を踏まえ、来年度の時期や実施場所などを検討していきます。全国でも例を見ない取り組みとして、市場関係者や消費者への訴求力強化に期待します。