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牡蠣殻散布でキュウリ栽培に付加価値
「樹が元気で長持ちしおいしいキュウリが取れる」と話す杉山さん
JA晴れの国岡山では、JAグループ岡山が取り組む循環型農業「瀬戸内かきがらアグリ事業」に賛同し、「里海米」「里海野菜」の取り組みを進めています。現在、キュウリ、エンダイブ、キャベツなどで導入。ゴミの削減や水質・土壌改善、生産者の所得向上に期待します。
牡蠣殻はミネラルを豊富に含み、土壌改良剤としても有効で、農産物が元気に育ち、収量がアップ。サステナブルな農産物として、「食べることでSDGsにつながる」とエシカル消費に興味のある消費者へも訴求できます。
津山統括本部管内では、久米南キュウリ部会51戸や鏡野町キュウリ部会、共同選果する勝英統括本部の勝英胡瓜部会など約80戸が、昨年度から牡蠣殻を散布して栽培を始めした。
キュウリを栽培して約10年の杉山美明さん(53)は5~6年前から牡蠣殻をまいて栽培。冬に土壌分析をして3~4月に収穫が終わってマルチや支柱を撤去したほ場に、分析結果に沿って10㌃あたり100~200㌔を散布します。
牡蠣殻を散布する前と比べ定植時の病気の発生が減り、「体感で平均10日ほど収穫期間が伸びた」と効果を話します。「元々おいしいキュウリにさらに付加価値がついた。地域にも優しい野菜を作って消費するサイクルを作っていくので、消費者にも協力してもらえれば今後もっと強化できる」と期待します。
全農おかやまではキュウリの出荷箱を結束する際のPPバンドに「里海野菜」のロゴ入りのPPバンドを利用して認知度の向上を図っているほか、7月上旬には県内のスーパーでフェアを開催。担当者は「認知度アップがこれからの課題。他店との差別化で売り上げを伸ばしたいスーパーなどに提案し、協力し合って市場関係者、消費者に知ってもらう機会を増やしていきたい」と話しています。