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将来の産地維持見据えこだわりのイチゴ栽培/笠岡市
JA晴れの国岡山倉敷かさや統括本部管内の笠岡市は、県内有数のイチゴの産地です。この地で栽培される「笠岡いちご」は1967年頃から栽培技術が高まり、現在は笠岡湾干拓地や隣接する笠岡市茂平・大井地区でJAの苺部専門委員会を中心に栽培しています。
同委員会では需要が高くなる12月から翌年の5月中旬まで続く出荷を、時季に応じたイチゴの生育具合を考慮しながら行います。春先の4月下旬までは朝取りで昼から出荷。終盤となる4月下旬から5月中旬までは早朝から集荷して午前中に選果場へと運ぶことで、収穫後の品質維持に努めます。
同委員会で委員長を務める岡田明生さん(48)は、古くからイチゴの栽培が盛んな笠岡湾干拓地の20㌃のハウスで、「笠岡いちご」の中でも主力商品の「紅ほっぺ」を栽培します。岡田さんは両親がナスのハウス栽培していたことから就農を決意。ナスより燃料費がかからないことと、岡山県が高設栽培システム「はればれプラント」を開発したことにより、イチゴ栽培に取り組むことを決めました。
干拓地は日当たりがよく、高梁川からの導水も確保され、色づきと味のバランスが良いイチゴができる環境が揃っていました。今期は夏場の高温などによる影響から定植時期や生育状況に悩まされ、例年に比べて出荷時期に遅れが生じました。
岡田さんは、「生で食べることの多いイチゴだからこそ味にこだわり、JAの直売所『笠岡ふれあい青空市しおかぜ』には、自分が食べておいしいと思う完熟したイチゴを出荷している。ぜひ味わってほしい」と言います。
おいしさを生む工夫をしながら20年以上イチゴ栽培を続ける岡田さん。先人から受け継いだ基本に、忠実に日々の管理をしながら、市のホームページで「笠岡いちご」のPRを行うなど、将来の産地維持も見据えた活動も行っています。