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加工・精米で後押し「ヒメノモチ」人気/新見市
新見さん「ヒメノモチ」の白餅や豆餅の出荷に追われる加工所
JA晴れの国岡山が新見市内で生産する「にいみ源流米ひめのもち」の販売が好調です。米卸への契約出荷に加え、自前で精米や餅に加工して販路を広げています。JAの直行便事業を通じて県南部の直売所にも安定して届け、今年は大半を直接販売できる見通しです。出荷概算金には独自に加算して差別化を進め、作付けを後押しします。
夏の冷涼な気候が栽培に向く同市内の北部を中心に、今年は74㌶で「ヒメノモチ」を作付けました。餅にすると白さが際立ち、粘りが強く、滑らかな食感、あっさりした味わいに仕上がります。赤飯やおこわにも最適で、実需者や消費者から根強い人気があります。
特に白餅や豆餅、鍋用のカット餅の詰め合わせは、市内の直売所では冬の特産品として定着。ふるさとを離れて暮らす親戚や家族への贈り物に喜ばれ、県外のリピーターからの注文や問い合わせも多く寄せられます。
冬の需要期に入り、加工所は餅つきに追われ、今年は300俵(1俵60㌔)の加工を見込みます。担当者は「手もみで1つ1つ丁寧に仕上げた餅で田舎の温もりを感じてほしい」と話します。
農家は、出荷時の価格の変動が大きいため、作付けに二の足を踏んでいましたが、JAが独自に販路を確立することで安定した農家手取りを確保。今年はうるち米より高い概算金を設定しました。次年に向けて積極的な作付けを呼びかけます。新見アグリセンターの米穀担当者は「地域に適した作物として生産機運を高めたい」と展望します。