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「つやま和牛」香港輸出で販路、ブランド力拡大へ/津山市
岡山県のブランド牛「つやま和牛」の香港への輸出が決まり、12月下旬、津山市で関係者が初めて集い、言葉や思いを交わしました。販路やブランド力などの拡大、価格の低迷する子牛や枝肉の有利販売につなげ、インバウンドによる地元への経済効果などにも期待します。
津山地域で飼育される和牛は三大血統の1つ、「藤良系」のルーツとされ、古くから和牛繁殖が盛んに行われてきました。肉食が禁じられていた時代にも薬として食べられるなど、地域の文化に牛肉が根付いています。
津山の名前を冠したブランド牛を作ろうと、2014年に「つやま和牛」の肥育が始まり、行政やJAが生産者をサポートしながらブランド化や頭数増頭に力を注いできました。
「つやま和牛」は生まれも育ちも津山地域で、地元産小麦のふすまを仕上げ期に飼料として与えます。月齢28ヵ月以上(または肥育期間概ね18ヶ月以上)で、肉質等級3以上だけを「つやま和牛」として出荷。現在主に津山地域で消費されています。
現在11戸が繁殖から肥育まで一貫して取り組み、年間50~60頭を「つやま和牛」として出荷しています。
今回販売などを取り仕切る(株)オー・エヌ・コーポレーションは、「肉は脂っこくなく、さっぱりとしておいしい」と高く評価。「つやま和牛」の歴史や成り立ち、胚乳割合の多い地元産小麦のフスマを給餌するなど、ストーリー性も強みとして生かし、販売力強化に転換していきたいと話し、「つやま和牛や岡山県の農畜産物を世界中に発信していきたい」と展望します。
つやま和牛振興協議会生産者部会の大﨏毅部会長は「必要な頭数を出荷できるよう今から方向性を計画し、改革をすすめる準備をしたい」と話しています。
今後は試験的な輸出を重ね、課題をすり合わせて将来的に輸出頭数を増やしていきます。
JAは、飼料高騰や市場価格の低迷など山積する課題解決へ、「増頭や肉質の向上につながるよう、飼育面などでも生産者を下支えしたい」と力を込めます。
1月17日には同市で初出荷を祝って出発式を行い、関係者がトラックを見送りました。