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豪雨から完全復活へリンドウ100万本

新見市長へリンドウを手渡している奥山部会長の写真
新見市長へリンドウを手渡し、今年の出来栄えや厳しい販売環境を報告する奥山部会長。
収穫に精を出す奥山部会長

 新見産リンドウの出荷が本格化しています。今年はJA晴れの国岡山新見花卉部会(旧JA阿新花卉部会)の生産者25人が4ヘクタールで栽培。西日本豪雨で被災する前の規模まで復旧を遂げ、新たに育成した新見オリジナル品種の作付けも増やしました。釣鐘型の色鮮やかでボリュームのある花が揃い、まっすぐに伸びた草丈が平年以上に凛とした印象を与えています。2017年以来の100万本を達成し、西日本最大産地の完全復活を目指します。

 産地は西日本豪雨で、ほ場50アールが浸水や土砂に埋まるなどの被害を受け、安定生産に大きな痛手を受けました。このうち、オリジナル品種は部会で育成開発して栽培を始めた矢先で再スタートを余儀なくされました。生産者は再起に向けて株を植え替え、2年がかりで収穫を待ちわびました。

 今シーズンは極早生から晩生まで約30品種の生産体制を整えました。新見オリジナル品種の栽培も広げ、定番の紫をはじめ、ブルーやピンク、白など好みやニーズに合わせた多彩な花色が揃います。各品種をリレーしながら6月から11月まで大阪、広島、岡山の各市場に安定した出荷を計画します。

 一方で生産者やJA担当者は、新型コロナウイルスの影響による需要減を懸念。盆や彼岸など仏花にとどまらず、敬老の日の贈り物にしたり、家庭向けでの消費宣伝に力を入れ、SNSやオンラインショップ、直売所を中心とした販売促進にも取り組みます。

 6月中旬に出荷を始め、16日には奥山亮部会長や二摩一正常務(新見地区担当)らが初物50本を新見市長に手渡して今年の仕上がりをPRし、厳しい販売環境を報告しました。奥山部会長は「リンドウが日々の暮らしにゆとりや癒しをもたらす〝ビタミンF(フラワー)〞となり、一人でも多くの方に幸せを感じてほしい」と話しました。

花の写真
管内のリンドウ
 鮮やかな青紫色が目を引くリンドウ。お盆やお彼岸の仏花として人気がありますが、ブーケやアレンジメントにもおすすめ。
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