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県北→県南の消費地へ・直売野菜など定期集荷
JA晴れの国岡山は、県北部の出荷会員が作る農産物を県南部の直売所に届ける定期便の運行を始めました。2024年の大型直売所開設を見据えた流通改革の一環で試行。毎週1回、新見市で野菜や果物などを積み、60㌔離れた総社市の山手直売所に運びます。販路を求める生産者、県産品の充実を求める消費者の思いを実現し、「国消国産」を支える生産・流通・販売の体制構築を目指します。
新見市内の出荷会員は600人。地元2店舗の他、県外店舗も販路として定着し、年間約3億円を売り上げます。ただ、県外輸送は運営会社の負担が重く、減便を余儀なくされました。生産物がだぶつき、新たな販路を求めていました。
山手直売所は車で20分圏内に5万世帯の商圏を抱え、品数、数量ともに需要の拡大が見込めます。特に端境期や午後からの品ぞろえ確保に向け、北部の生産物を待望していました。
温暖な南部から冷涼な北部まで標高差や気温差を生かしたリレー出荷体系で売り場を充実させます。例えばトマト、ナス、ピーマンといった夏秋野菜の遅出し、ダイコン、ハクサイといった秋冬野菜の早出しができます。
新見市の生産者は、午前の内に集荷場の予冷庫に生産物を持ち込みます。山手直売所を起点に集荷便が往復し、夕方には野菜や果物などが専用コーナーに並びます。10月中旬には会員約20人がコンテナ33箱を出荷。サトイモ、キャベツ、シイタケ、ハヤトウリ、栗、ササゲ、シャインマスカット、ピオーネ、リンドウなど18品目にの上りました。売れた情報はメールで生産者に届きます。
出荷会員は「消費者ニーズがつかめず価格設定、荷造りなど手探りだが、売れ行きを励みに信頼される出荷に努めたい」と話します。
JAの山本日吉司営農担当常務は「県内で消費する農産物は県内で生産流通できるよう県全域からの集荷体制を構築し、生産者、消費者の双方に喜ばれる大型直売所を実現したい」と展望します。