家庭菜園
野菜 広報誌「晴ればれ」2022年3月号掲載
ジャガイモ
生育全般に冷涼な気候を好みます。植え付け時の地温が比較的高く、生育期間中の平均気温が15〜20℃で、生育前半の日長が多く、しかも開花期以降の気温差が大きくて雨量の少ない地域で栽培に適します。トマト・ナスなどとの連作を避けましょう。
加計 博正
倉敷アグリセンター 営農課係長
倉敷アグリセンター 営農課係長
栽培スケジュール
1.種選び
ウイルス病やそのほかの病害虫に侵されていない、検査に合格した、種子用として市販されている物を選ぶことが重要。休眠から目覚め、程よく芽が伸び始めた物を準備する。
男爵薯ほくほく系の定番
メークイン煮物向きの定番
キタアカリ煮上がり早く、レンジ調理も
アンデス赤食味がよくサラダ向き
2.畑の準備
畑は早めに深く耕し、寒気に当てておく。アルカリ性土壌の場合、「そうか病」にかかりやすくなるので、石灰を多く施用しない。
畝の長さ1mあたりの量
堆肥
200g
200g
(1)
じゃがいも専用肥料
120g
じゃがいも専用肥料
120g
3.種イモの準備
催芽
頂芽部
60〜120gのものは半切りに
60〜120gのものは半切りに
Mサイズ
頂芽部
120〜190gのものは3つ切りに
120〜190gのものは3つ切りに
Lサイズ
頂芽部
190〜260gのものは4つ切りに
190〜260gのものは4つ切りに
2Lサイズ
※ストロンとは…植物の直立した茎の地際から出た枝が地面に水平に伸び、途中の節から根を出して生長するもの。「ほふく枝」「ほふくけい」とも。
種イモの重量が60g以上になるとイモの収穫量に差異はないので、1片の大きさは40〜60gでよい。Sサイズ(40〜60g)は丸ごと1個で使う。
イモの頂部(ストロンの反対側)の芽は優勢(頂芽優勢)であり、芽(芽の中に数芽ある)の数は頂部に多く、基部(ストロンの付け根)に少ないので、各切片に頂部の優勢な芽が必ず入るように、頂部から基部にかけて切る。
切り分けたイモは2〜3日風通しのよい日陰で乾かすか、草木灰などを切り口につけて、植え付け後の腐敗を予防する。
イモの頂部(ストロンの反対側)の芽は優勢(頂芽優勢)であり、芽(芽の中に数芽ある)の数は頂部に多く、基部(ストロンの付け根)に少ないので、各切片に頂部の優勢な芽が必ず入るように、頂部から基部にかけて切る。
切り分けたイモは2〜3日風通しのよい日陰で乾かすか、草木灰などを切り口につけて、植え付け後の腐敗を予防する。
4.植え付け
冷涼な気候を好むため、春作では晩霜害の恐れのない限り、できるだけ早く植える。浅植えの方が地温上昇の影響が大きく出芽も早いが、乾燥畑では逆効果となる。一方、深すぎると出芽の遅延を招く。
芽が出てきたら「芽かき」を行う。大きめの芽を2〜3本程度残して、ほかの芽は根元からかき取る。
種イモの上に茎が伸び、その少し上からストロン(ほふく枝)が出て、その先に新しいイモができる。
ソラからのアドバイス
植え付けから土寄せを行う間に雑草が生えてくるので、除草を兼ねて中耕しよう。中耕は早めがよく、土壌を膨軟にし、土壌水分を適度に保つよ。空気の通りもよくなって、肥料の分解を助け、根の発達の促進などの効果があるんだ!
5.土寄せ・追肥
1回目の土寄せの時、畝の両側に肥料を施し、鍬でかるく耕しながら株元に土を寄せる。
畝の長さ1mあたりの量
(1)
じゃがいも専用肥料
90g
じゃがいも専用肥料
90g
土寄せは、あまり早い時期に行うと地温の上昇を妨げるので、芽が15〜20cmの高さに伸びてからする。
サンからのアドバイス
畝の形は断面がカマボコ型になるよう土を寄せよう。山と谷の差が大きいほどイモの着生がよく、少なくともイモができる10cm以上の高さまで土をかぶせ、山と谷の差が20〜25cm程度になるようにしてね!
畝の形は断面がカマボコ型になるよう土を寄せよう。山と谷の差が大きいほどイモの着生がよく、少なくともイモができる10cm以上の高さまで土をかぶせ、山と谷の差が20〜25cm程度になるようにしてね!
6.収穫
茎葉が半分以上枯れたころ、イモの表面が固くなってから土壌が乾燥している晴天の日に収穫する。土壌水分が多いと腐りやすいので注意する。
ソラからのアドバイス
掘り起こし後は、半日程度天日で乾かしてから拾い集めよう。イモの表面を乾かすことは、付着している菌を殺菌・防除するためにも有効なんだ。春作では、出芽後80〜100日で収穫できるよ!
貯蔵法
風通しのよい日陰(暗所)で、5℃前後で貯蔵すると萌芽が少なくなる。箱などに入れる場合、傷のあるイモを入れると腐敗する原因となるので注意する。
そうか病
イモの表面に赤褐色のはれもの状の斑点が生じ、拡大とともに淡褐色~暗褐色に変じて周縁が盛り上がる。中央部は凹陥して、あばた状で円形の乾いたコルク質状の病斑となる。乾燥した場合、特に畑がアルカリ性に傾くと発生しやすいので、作付前には石灰を施さないようにする。
おすすめ資材
(1)じゃがいも専用肥料
ジャガイモ用に肥料成分を設計(窒素9:リン酸7:カリ7)。4㎏規格で家庭菜園におすすめ。ほかの園芸作物にも使えます。
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JA晴れの国岡山 倉敷アグリセンター 〒712-8001 岡山県倉敷市連島町西之浦512 TEL 086-444-0447 |
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